小試験解説
―正常心電図―
〔ポイント〕
・P波の拍数は一分間に約60〜100である。(上図では60)
・P波はT・U誘導aVf,V6で陽性である。
―洞性不整脈―
〔ポイント〕
・通常呼吸性不整脈のことをいい,吸気時にRR間隔が短縮,呼気時には延長し徐脈となる。
・最大のPP間隔と最小のPP間隔の差が0.16秒以上の場合に使う。(上図では0.8秒)
―洞性徐脈―
〔ポイント〕
・P波の形は洞調律と同じであるが,その頻度は50/分以下である。(上図では50/分)
―洞性頻脈―
〔ポイント〕
・P波の形は洞調律と同じであるが,その頻度は110/分以上である。(上図では110/分)
―心房調律+右軸偏位―
〔ポイント〕
・第T誘導でR波よりS波が深い。
・aVf誘導ではR波がS波より高い。
―心房細動―
〔ポイント〕
・心房の不規則な興奮が1分間に350〜600というきわめて速い頻度で発生し,頻脈性不整脈を発生する。(上図では一分間に500)
・通常心電図では基線に不規則な揺れがみられ,RR間隔は不定であり,この不規則な心房の興奮波をf波とよぶ。
―右軸偏位―
〔ポイント〕
・第T誘導でR波よりS波が深い。
・aVf誘導ではR波がS波より高い。
―左軸偏位―
〔ポイント〕
・第V誘導のS波が第U誘導のS波より深い。
・aVf誘導ではR波よりS波が深い。
―T度房室ブロック―
〔ポイント〕
・PQ間隔が0.21秒以上に延長する。(上図では0.24秒)
―右房負荷―
〔ポイント〕
・P波が0.25mV以上である。(上図では0.30mV)
―左房負荷―
〔ポイント〕
・Pの後半部分の幅が広く,0.1秒を越える。(上図では0.15秒)
・V1のPの後半部分の陰性部分が強い。
―左室肥大(軽症)―
〔ポイント〕
・V6のR波高は2.6mV以上。(上図では2.6mV)
・V5のR波高とV1のS波高の和が4.0mV以上。(上図では5.0mV)
・aVLのR波高は1.2mV以上。(上図では1.2mV)
―左室肥大(重症)―
〔ポイント〕
・V6のR波高は2.6mV以上。(上図では3.0mV)
・V5のR波高とV1のS波高の和が4.0mV以上。(上図では7.0mV)
・aVLのR波高は1.2mV以上。(上図では1.2mV)
―陳旧性前壁心筋梗塞―
〔ポイント〕
・S波からT波にかけて上昇している。
・冠性T波が見られる。
―不完全右脚ブロック―
〔ポイント〕
・QRS波の幅は0.12秒以上である。(上図では0.40秒)
・V1でrsR’型,T,V5,V6ではスラーを示すS波を認める。
―完全右脚ブロック―
〔ポイント〕
・QRS波の幅は0.12秒以上である。(上図では0.20秒)
・V1でrsR’型,T,V5,V6ではスラーを示すS波を認める。
・V1でT波は陰転化する。
―心房性期外収縮―
〔ポイント〕
・通常T波の上にP波が重なり,一見隠れているようにみえる。
―心室性期外収縮(右室流出路起源)―
〔ポイント〕
・基本的には正常の規則的なQRSに対し,幅の広い形の違うQRSが出現する。
・R波の向きが,aVfは上,V1は下,V5は上になる。
―心室性期外収縮(右室心尖部起源)―
〔ポイント〕
・基本的には正常の規則的なQRSに対し,幅の広い形の違うQRSが出現する。
・R波の向きが,aVfは下,V1は下,V5は上になる。
―心筋虚血―
〔ポイント〕
・0.5mm以上STが下降する。(上図では2mm)